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使わない自動車の節税対策と保険の解約【一時抹消登録について】

 
 神戸市灘区の行政書士谷垣征和です。
 今回は、車の「一時抹消登録」についてのお話です。

「一時抹消登録」は、どんなときにする?

 車を持っているけれども、今は使っていない。でも、廃車にしてしまうのはもったいない。そんな場合、「一時抹消登録」の制度があります。

 例えば、「転勤になって遠地へ行くことになった」とか、「将来息子にあげる予定だけれど、それまで使わない」など、しばらく使わないけれど、将来遣う可能性がある場合があります。そんなときは、「一時抹消登録」をしておき、また使うときがくれば、あらためて登録(この登録については、後で記述します)することによって使うことができます。

使わない車でも税金を払う?  

 一時抹消登録をすることで、何かいいことはあるのでしょうか。
 
 まず一つは、自動車にかかる税金です。自動車にかかる税金には主に「自動車税」と「自動車重量税」があります。この2つは、自動車を所有しているだけで毎年かかる税金です。(自動車重量税は、車検のときに2年分まとめて払うことが多いです)
 
 このうち、自動車税に関しては、一時抹消登録を行うことで、払わなくてもよくなります。
 
 自動車税は、4月1日に自動車を所有している人にかかる前払いの税ですが、たとえば年度途中で一時抹消登録をすれば、そこからの分については、払いすぎた税として還付されます。(ただし、残念ですが軽自動車については還付はありません。)
 
 自動車税は車の排気量によって税額が決まりますが、その年額を月割り計算した額が還付されることになります。
 
 これに対して、「自動車重量税」の方は、残念ながら還付されません。一時抹消ではなく、完全に廃車にした場合(永久抹消と言います)の場合は、還付の対象となる可能性があります。
 
 とはいえ、自動車税だけでも払わなくて済むことになるのは、メリットと言えるでしょう。
 

自賠責保険、任意保険はどうなる?

 もう一つの疑問として、自賠責保険があります。
 
 自賠責保険は、強制加入の保険ですが、車の一時抹消登録をした場合には、解約することができます。
 
 その場合、残りの保険期間については、還付金を受け取ることができます。(保険期間が1か月以上残っている場合)
 
 必要書類は保険会社によって違いますが、次のような書類を用意して、還付金の手続きをします。

    1. 自賠責保険証明書
    2. 車を廃車(返納)したことを証明する公的な書類(一時抹消登録証明書)
    3. 保険契約者本人の身分証明書、印鑑など
       
 もちろん、任意保険についても手続きをすることになります。年払いで保険料を支払っている場合は、還付の対象になることが多いです。
 
 また、完全に解約するのではなく、中断もしくは休止の手続きをすることで、次に再開するときにはそのままの等級で再開できる場合がありますので、保険会社に問い合わせてみるとよいでしょう。
 
 手続きの必要書類には、自賠責の場合と同様、一時抹消登録証明書が必要になりますので、先に登録をすることが大切です。
 
 いずれにせよ、車を使わないことが理由で一時抹消登録をするのですから、保険関係も解約または中断を早めに行うようにしましょう。

 

登録手続き

 一時抹消登録の手続きは、普通車の場合、運輸局の陸運支局に書類を提出して行います。軽自動車は、軽自動車検査協会になります。
必要書類は、次のとおりです。
 
  1. 車検証
  2. ナンバープレート(前・後2枚)
  3. 申請書
  4. 手数料納付書(検査登録印紙350円
  5. 所有者の印鑑証明書(発行後3か月以内のもの)
  6. 所有者の実印(所有者本人が手続きする場合)または委任状(代理人申請の場合〔実印を押印〕)
  7. その他(以下の場合、検査登録印紙350円が別途必要)
〇住所が変わっている場合
・車検証の住所とつながることを証明する書類(住民票除票・戸籍の附票など)
〇苗字が変わっている場合
・戸籍謄本等
 

再登録について

 一時抹消手続きをした車を再登録するには、「中古車新規登録」という手続きをします。
 
 この手続きを行うためには、次の順序で準備をすることが一般的です。(軽自動車の場合は、手続きや必要書類は異なります)
 
①車庫証明を取る
 車の保管場所を管轄する警察署に申請します。以下の書類が必要です。
  • 自動車保管場所証明申請書
  • 保管場所標章交付申請書
  • 車庫の所在図・配置図
  • 保管場所使用権原疎明書面(自宅の場合)
  • 保管場所使用承諾証明書(駐車場を借りた場合)
  • 使用の本拠の位置が確認できるもの電気・ガス等の公共料金の領収書、消印のある郵便物、運転免許証等)
  • 委任状(代理申請の場合)
②自賠責保険に加入する。(次の仮ナンバー取得に必要です。)
③仮ナンバーを取得する。(各市区町村役場で申請)
 仮ナンバー取得のための必要書類は次のとおりです。
 
  • 自動車臨時運行許可申請書
  • 一時抹消登録証明書など車のことを確認できる書類
  • 自賠責保険証書(②で取ったもの)
  • 申請者の住所、氏名が確認できるもの(自動車運転免許証、住民票、健康保険証等)
  • 手数料
④仮ナンバーを付け、陸運支局へ車を運んで(軽自動車は、軽自動車検査協会)、「新規登録」を行う。この手続きに必要な書類は、次のとおりです。
 
  • 申請書
  • 一時抹消登録証明書
  • 手数料納付書(印紙を貼る)
  • 印鑑証明書と実印(代理申請の場合は、委任状)
  • 自動車重量税納付書(印紙を貼る)
  • 車庫証明書
  • 自賠責保険証書
  • 自動車検査票
  • 自動車税申告書
  • その他
⑤中古車新規登録をして、ナンバープレートをもらう。→完了
 

まとめ

 車をしばらく使わないことがわかっている場合、そのままにしていると、税金や保険料が当然ですがかかってきます。
 
 一時抹消登録をすることで、支払わなくてもよい費用の節減ができます。
 
 また、再度必要になれば、再登録をすることで、車を使用することができます。
 
 ただ、長い間車を使用しないで置いておくのは、どうしても劣化したり、バッテリーが上がってしまったりといったことの原因になります。
 
 そのときは、別途費用がかかることも想定しなければなりませんし、費用がかさむようであれば、廃車ということも考えなければならないかもしれません。
 
 どれくらいの期間置いておくことになるのかも考えたうえで、一時抹消登録をするのか、永久抹消登録をするのかを選択するのがいいでしょう。
 
 当事務所では、一時抹消手続きの代理申請を承っております。ご希望の方は、ご連絡ください。
 

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行政書士 谷垣事務所  代表 谷垣 征和
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 その他の車の手続きについては、こちらも参考にしてください。
 

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