行政書士 谷垣事務所
特定行政書士 谷垣 征和
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副業人口が増えています
近年、本業の傍ら副業をする人が増えています。
従業者の副業を認める企業も増え、以前のように副業に対するマイナスイメージはなくなりつつあります。これからもこの傾向は続くでしょうし、それによってますます副業人口は増加していくことと思われます。
ところで、副業のメリットは、従業者だけのものかというと、そうではありません。
副業を通して従業者がスキルアップを図ったり、本業の給与では賄いきれない部分を副業の収入で得たりすることは、企業にとっても決してマイナスではありません。
ただ、ルールを決めず副業をおこなうとなると、デメリットも少なからず発生します。
副業の良さのみを残しつつ、デメリットを排除することができれば、労使共に恩恵が得られるような副業の在り方が見えてくるのではないでしょうか。
そのためには、やはりお互いの取り決めが必要となります。
副業のルール
副業のルールとしては、雇い手側も就業者側も納得できるようなものでなければなりません。また、ルールの作成のためには、お互いがその趣旨を理解しておくことも大切です。
- 就業者が安心して副業をおこなうため。
- 会社としては、就業者の労働力を損なわないこようにするため。等
就業者のスキルアップが会社にとってもプラスになることや収入の安定が見込めること等、副業は両者にとってプラスとなるような位置づけを確認することが大切です。
ルールを形にする
では、具体的には、どのような形の取り決めがよいのでしょうか。
お互いの意思を確認し、約束を交わすものという意味においては、「契約書」が挙げられます。また、それほど多くの内容をとりこまないのであれば、「覚書」といった形式のものも考えられます。
「誓約書」という方法もありますが、この場合は一方的な意味合いが強くなりますので、できれば「契約書」もしくは「覚書」といったような、双方の要求を盛り込んだ形式がよいのではないかと思います。
大切なのは中身
どういう形式にするかは、実情に応じて決めることになると思いますが、もっとも大切なのはその中身です。どのような内容を盛り込むかによって、お互いにメリットがあるものになるのか、そうでないかが決まります。
鍵は、「お互いにとって」メリットとなる内容であるかどうかです。
契約書等に盛り込む内容
盛り込む内容として、まずは雇い手からの目線で考えたときには、次のようなものが挙げられます。
- 就業時間内におこなわない。
- 会社の備品等を使わない。
- 本業の支障とならない。
- 情報を漏らさない。等
雇い手からすると、勤務時間中はもちろん本来の業務に専念してもらわなければ困りますし、会社の備品を使われたのでは経費のマイナスになります。また、いくら就業時間外に副業をしたとしても、行き過ぎると睡眠不足や疲労から業務に集中できなくなることも考えられます。さらに、情報漏洩の恐れも会社側からすると心配な部分です。
起こり得る事態を想定すること、またそのような事態が起こったときの対処についても盛り込むことで、会社にとっての損害を抑止するできます。
逆に就業者側からの要望として考えられるのは、次のようなことです。
- 副業をおこなうことに妨げとなる要求をされない。
- 副業をおこなうことを理由に不利益を被られない。
- 利益はすべて自分の利益とする。等
こうした取り決めは、本業における業種や職場環境、経営規模、就業規則との兼ね合い等によって、変わります。その職場の実情に合ったものとならなければ、意味のないものになるどころか、お互いにとってデメリットでしかなくなることもあります。
双方の立場を考えたうえで、両者が納得できるものになるようなすり合わせをすることも大切です。
民法の定め
契約自由の原則
少し堅い話になりますが、民法521条に次のような条文があります。
「何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約するかどうかを自由に決定することができる。」
「契約の当事者は、法令の範囲内において、契約の内容を自由に決定することができる。」
平成29年の民法改正によって、それまでは明文化されていなかった「契約自由の原則」について、明確な規定が設けられました。
この「契約自由の原則」は、誰と契約をするのか、どんな内容の契約にするのか、また、そもそも契約自体を結ぶのかどうかといったことを個人が自由に決定できる原則を言います。
公序良俗違反はNG
ところで、民法90条には、次のような条文があります。
「公の秩序または善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。」
いわゆる公序良俗違反の規定であり、「契約自由の原則」の例外とされています。いくら契約は個人の自由だといっても、公序良俗に違反するような契約は無効となることを意味しています。
ここで言う公序良俗違反とは例えば賭博行為、人権を侵害する行為、倫理的秩序に反するような行為を指し、そうした公序良俗に反する契約は、無効となります。
専門家に依頼しよう
契約書等を一から作成するのは、なかなか骨の折れることです。それほど多くの取り決めを盛り込まないにしても、法的な効力や型式を考えたうえで文書を作成することは、慣れない人にとっては馴染みがなく、どうしてよいのか実際のところよくわからないというのが普通です。
そのようなときには、文書作成の専門家に依頼するのもよいのではないでしょうか。
弊所では、契約書から覚書、誓約書等の文書作成を承ります。企業様や従業者様のご要望をお聞きしながら、実情に応じた文書を作成します。
悩まれる前に、まずはご相談いただき、お話をお聞かせいたたくことで、より良い内容となるよう考えさせていただきます。
ご連絡をお待ちいたします。
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