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在留期間の更新と在留資格の変更~神戸・大阪~

在留期間の更新が認められるには

 更新の条件

 入管法第21条に次のような条文があります。

 「本邦に在留する外国人は、現に有する在留資格を変更することなく、在留期間の更新を受けることができる。」

 在留資格「留学」の在留期間は4年3ヵ月、4年、3年3ヵ月、3年、2年3ヵ月、2年、1年3ヵ月、1年、6ヵ月または3ヵ月となっています。そこで、例えば、1年の在留期間を与えられた人が、日本の大学を卒業しようとする場合、在留期間の終了までに新たに更新の申請をし、許可されることが必要となります。もし、更新が許可されないということになれば、1年をもってその人の在留期間は終了するため、それ以上日本に滞在することはできません。

 この在留期間の更新については、許可されるための基準が、出入国管理庁のガイドラインに示されており、その在留資格に応じた活動を行っているかどうかが判断基準の一つになっていると言えます。

 「留学」の在留資格として、滞在している留学生の「在留資格に応じた活動」とはどのようなものなのか、核心の部分については法務大臣の判断にゆだねられるところですが、申請にあたっての提出書類の中に在学証明書や成績証明書等があるというところに、「在留活動に応じた行動」を判断するための基準の一端を見ることができます。たとえば、学校を辞めてしまった、というようなときはもちろんのこと、授業をおろそかにして単位がほとんど取れていず、そこから先の学生としての活動の見通しが立たないと判断されるような場合には、更新が認められない可能性があるのです。

更新理由

 入管法第21条には、次のような条文もあります。

 「法務大臣は、当該外国人が提出した文書により在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。」

 これは、逆の解釈をすれば、在留期間を更新するための「相当の理由」がなければ、更新されないこともあるということを意味しています。

 また、ほかにも素行が善良であること、納税の義務を果たしていること、経費支弁能力なども基準とされています。また、更新の許可が得られたとしても、本当に在留資格通りの活動がその先もできるのかどうかが疑わしい場合などは、短い期間しか許可が与えられない場合もあり、在留期間を延長するかどうかに加えて、与えられる期間についても法務大臣の裁量にゆだねられていると言ってよいでしょう。

在留期間更新手続き

更新申請の申請者

在留期間の更新の申請ができるのは、次のような人です。

  • 本人
  • 法定代理人(親権者、未成年後見人、成年後見人)
  • 取次者(申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員、弁護士、行政書士等)

更新申請の提出書類

提出書類には、主に次のようなものがあります。

  • 申請書
  • 顔写真
  • 日本での活動内容に応じた資料
  • 在留カード等(提示のみ)
  • 身元保証書
  • 旅券又は在留資格証明書(提示のみ)
  • 身分を証する文書等の提示(申請取次者が申請を提出する場合)

更新期間

 6か月以上の在留期間を有する人については、在留期間の満了するおおむね3か月前から申請できますので、在留期間が過ぎてしまわないように、余裕をもって申請することが大切です。

在留資格の変更

「留学」から「技術・人文知識・国際業務」へ

 在留資格の変更とは、在留資格をそれまでのものから、別の資格に変更することです。留学生が大学を卒業し、日本でそのまま就職するときなどがそれにあたります。例として多いのは、「留学」の資格から、「技術・人文知識・国際業務」の資格への変更です。

 「技術・人文知識・国際業務」の資格で、日本において行うことができる活動内容は、次のようなものです。

「技術・人文知識・国際業務」資格とは

「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授の項,芸術の項及び報道の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の経営・管理の項から教育の項まで,企業内転勤の項及び興行の項の下欄に掲げる活動を除く。)。 該当例としては,機械工学等の技術者,通訳,デザイナー,私企業の語学教師など。」(入管法 別表第一の二の表の下欄)

 在留資格変更の判断について法務大臣に委ねられているため、一概には言えませんが、具体例としては、例えば、技術者、エンジニア、プログラマー、研究開発、経理、企画、総務、営業、人事、翻訳、デザイナー等など、幅広い職種が該当することが考えられます。

 以下、「留学」または他資格から「技術・人文知識・国際業務」の資格への在留資格変更申請手続きを例に、参考までに簡単に説明します。

変更申請の提出先

住居地を管轄する地方出入国在留管理官署

変更申請の主な提出書類

 提出書類については、就職先の事業内容や規模によって、若干の違い(カテゴリー1~4)があります。以下にカテゴリーの種類について示します。

カテゴリー1
  1.  日本の証券取引所に上場している企業
  2.  保険業を営む相互会社
  3.  日本又は外国の国・地方公共団体
  4.  独立行政法人
  5.  特殊法人・認可法人
  6.  日本の国・地方公共団体認可の公益法人 など
カテゴリー2
  1.  前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中,給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人
  2.  在留申請オンラインシステムの利用申出の承認を受けている機関
カテゴリー3
  1.  前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中,給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,000万円未満の団体・個人
カテゴリー4
 上記いずれにも該当しない団体・個人
 

【すべてのカテゴリーに共通する提出書類】

  • 在留資格変更許可申請書
  • 顔写真
  • パスポート及び在留カード(提示のみ)
  • 上記のカテゴリーのいずれかに該当することを証明する文書
それぞれのカテゴリーで必要な書類

  • カテゴリー1の場合に必要なもの
    「四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書の写し」など
  • カテゴリー2の場合に必要なもの
    「前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の写し」
    「在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を受けていることを証明する文書 の承認メール」
  • カテゴリー3の場合に必要なもの
    「前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の写し」

【カテゴリー3と4のみ必要な書類】

  • 申請人の活動の内容等を明らかにする資料
  • 申請人の学歴及び職歴その他経歴等を証明する文書
  • 登記事項証明書
  • 事業内容を明らかにする資料
  • 直近の年度の決算文書の写し

【その他】

  • 専門学校を卒業した人は、専門士又は高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書
  • 派遣契約に基づいて就労する場合で、申請人が被派遣者の場合は、申請人の派遣先での活動内容を明らかにする資料【労働条件通知書(雇用契約書)等】

変更申請の申請者

  • 本人
  • 法定代理人(親権者、未成年後見人、成年後見人)
  • 取次者(申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員、弁護士、行政書士 等)

標準処理期間(審査にかかる期間)

 2週間~1か月(申請の種類や提出された書類の種類によって、日数がかかる場合もあります。)

 在留資格の変更の場合も、「在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。」となっており、申請書類を提出したからといって、必ず認められるというものではありません。これは、申請人のそれまでの実績にかかっていると言えます。
 また、留学生が企業に就職する場合、大学で身につけた知識の種類と就職先での職種が合致することも大切なことです。機械系の学部を卒業したにも関わらず、料理人として就職するといったようなことは、適合性の面で審査が通りません。
 
終わりに
 申請の種類によっては、書類の数も多くなり、申請までの準備に時間がかかったり、記入の仕方がわからなかったりすることはあることです。余裕をもって、早めに取りかかることが大切ですが、それでもなかなか手続きだけに専念している時間も限られると思いますので、うまく事が運ばないこともあると思います。
 
 当事務所では、留学生の新しい生活の応援、外国人の方の新しい職場、環境でのご活躍を支援します。神戸・大阪周辺で書類作成や手続きに時間がさけない等、お困りのときは、是非当事務所までご相談ください。
 当事務所が、全力でサポートいたします!
 

行政書士 谷垣事務所  代表 谷垣 征和
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その他、在留資格についてはこちらの記事も参考にしてください。
 

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