行政書士 谷垣事務所 代表 谷垣 征和
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理髪店の営業をおこなうには、管轄の保健所に届け出る必要があります。
今回は、開業までの流れについて書いていきます。
開業までの手続き
開業までには、次のような手順で手続きをおこないます。
- 保健所への事前相談
- 届出書類等の提出
- 保健所の施設検査
- 検査確認証の交付
- 開業
手続きごとに詳しく見ていきます。
保健所への事前相談
まず、開業するお店の所在地を管轄する保健所に電話連絡をし、事前相談の日程を決めます。この事前相談には、お店の図面が必要です。店内の寸法や設備の配置がわかるものを用意しておきます。
お店の構造や、設備には細かいルールがあります。そのルールに合った構造や設備にしなければ、保健所の施設検査に通らず、許可が受けられないことになります。
お店の図面を見ながら、どのような施設にするのか、設備はどのようなものを用意して、どこに置くのかなどを事前相談までにある程度の目途をつけておきます。
そのうえで、保健所の担当者に図面で確認してもらいながら、手直しが必要な箇所やこれからの工事、設置する備品等について、相談します。
せっかく準備したことが無駄にならないよう、分からいところは質問します。申請書等の書き方についても聞いておくといいでしょう。
届出書等の提出
内装工事や設備の準備を進めながら、届出書等の作成をします。
届出に必要な書類は、次のとおりです。
- 開設届
- 施設の平面図(内のり寸法があり、面積の計算ができるようにしたもの)・付近の見取図
- 診断書(結核・伝染性皮膚疾患の有無、医師名、医師の印があるもの)(申請の3か月以内)
- 理容師の免許状(全員分)
- 管理理容師の資格を証する書類(従業員が2名以上の場合)
- 登記事項証明書(法人として開設する場合)
- 住民票の写し(外国人の場合)(国籍を記載したもので、マイナンバーの記載のないもの)
- 検査手数料(16,000円)
すべてそろった時点で管轄の保健所に提出します。
保健所の施設検査
工事が終わり、設備や備品が整った時点で保健所の施設検査となります。
施設・設備の基準に適合しているかについて検査を受けます。
施設・設備の基準には次のようなものがあります。
- 明るさ(作業する場所の明るさは、100ルクス以上。300ルクス以上が望ましい)
- 清掃のしやすい床面、腰板(コンクリート、タイル、リノリューム等、水を通しにくい素材)
- 作業場の床面積(作業いす2脚までは、9.9㎡、1脚増えるごとに+2.5㎡)
- 換気設備の設置(石油、ガス等を使用する暖房器具は、機械換気設備を設け、室内の炭酸ガスの含有量が1,000ppm以下となるようにする)
- 器具消毒場所の設置(紫外線殺菌庫やエタノール等、器具に合わせた消毒器、薬品等を備え付ける)
- 布片とうの保管場所の設置(使用前後の布片、消毒済の器具等を保管できる戸棚、容器)
- 流水式手洗い設備(作業場内に設置、手洗い石鹸や手指消毒液を備える)
- 洗髪設備(温水を供給できるもの)
- ゴミ箱・毛髪箱(ふた付きのもの)
- 救急箱(外傷に対する応急措置に必要な薬品、衛生材料)
- 待合所(設ける場合は、ついたて、植栽、棚などで、作業場と明確に区画する)
- 住居部分、他の営業に供する部分等とは、天井までの隔壁を設ける
これら以外にも、自治体ごとに異なった基準がありますので、施設検査までに確認した上で設備等を整えることが肝心です。施設・設備が整っていなかったり、施設が完成していなかったりした場合は、再検査となることがあります。
検査確認証の交付
届出書類等に不備がなく、施設検査でも問題がなかった場合、検査確認証が交付されます。この検査確認証は、店内の見やすい場所に掲示しておきます。
検査確認証が交付されれば、開業ということになります。
検査確認票は、早ければ届出書等を提出してから2週間程度で交付されますが、書類に不備があった場合には補正が必要となり、交付までの期間はさらに伸びることになります。
お店の開業日が決まっている場合は、余裕をもって手続きを進めることが大切です。
開業後の手続き
開業後は、確定申告に備えて税務署に開業届を提出します。また、青色申告をするためには、所得税の青色申告承認申請書も同時に出すとよいでしょう。
開業届を出しておけば、銀行等で屋号入りの口座を開くことができます。個人の口座と分けておくことで、確定申告時にも便利です。
また、法人の設立をおこなったときには、年金事務所やハローワーク等にも書類の届出が必要になる場合がありますので、忘れないように届け出ます。
開業をスムーズにおこなうために
理髪店の開業には、お店の工事や設備・備品の手配、人材の登用や書類作成、保健所とのやりとりや資金の調達等、多くのことを同時にこなさなければなりません。そのためには、たくさんの時間と労力がかかります。
当事務所では、保健所と連絡、書類一式の作成、お店の構造確認(寸法の測定等)、設備の適合性の確認など、理髪店の開業を全面的にサポートいたします。
また、税理士、司法書士、社会保険労務士とも提携し、税務相談、法人設立登記、保険関係の書類提出等についてもお手伝いいたします。
理髪店の開業を考えておられる方、まずはご相談ください。
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