行政書士 谷垣事務所 代表 谷垣 征和
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風営法の申請については、「飲食店営業許可申請~カフェは喫茶店?飲食店?~【申請までの流れと必要書類について】」にも書きましたが、今回はスナックの場合を例に風営法の申請までの流れと気をつけるべき事がらについて、より具体的に書いていきたいと思います。
申請までの流れと留意点
一からお店を始められる場合は、風営法の申請の前に、まず飲食店の営業許可を取る必要があります。飲食店の営業許可については、こちらに詳しく載せていますので、そちらを参考にしてください。
今回は、すでに飲食店の営業許可を取られていることを前提に話を進めていきます。
風営法の許可が必要な営業形態
風営法の申請には、いわゆる1号営業から5号営業までがあります。スナックで、「客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」をする場合は、そのうちの1号営業にあたるため、風営法の申請をして、許可を得なければなりません。
ここで言う「客の接待」には、例えば「お客さんにお酌をする」行為や「カラオケをデュエットする」、「煙草に火をつける」といった行為が含まれます。つまり、そうした行為を風営法の1号営業の許可を得ずに行った場合は風営法違反となります。
神戸では、風営法の許可を取らずに、お客さんにおしぼりを手渡したことが接待を行ったとして風営法違反とされ、逮捕、罰金が科された事例があります。
この場合、営業許可の取消し処分となるだけでなく、新たにお店を再開しようと思っても、欠格事項に該当することになり、以降5年間はお店を営業することはできなくなってしまいます。
お店の営業方法が接待にあたるのか、あたらないのかについて、風営法の許可を取っていない場合は、十分注意を払うことが必要です。また、現にお店を営業されている方で、ちょっとでも「接待」にあたる行為を行おうとするなら、風営法の許可を取ることが必要です。
申請までに行うこと
では、どのような流れで申請するかについて、具体的に見ていきます。
私が依頼を受けた場合、おおよそ次のような手順で申請までの業務を進めていきますので、参考にしてください。
①保護すべき施設がお店から一定の距離にないかを調べる
まずするべきことは、お店が風営法の許可を取るための制限区域内にないかどうかを調べることです。保護すべき施設(学校、保育所、認定こども園、図書館、病院、診療所等)が、お店から測って決められた一定の距離にないことを確認します。もし、距離制限内にそうした施設がある場合は、その場所では風営法の許可を取ることができませんので、いくら手続きを進めても許可が下りることはありません。許可を取るには、距離制限にかからない場所を確保しなければなりませんので、まずはお店の周りを実際に歩いてみて調べることが必要です。
この距離制限については、お店のある場所の用途地域の種類によって距離が変わってきますので、調べてください。
②事前相談
お店の場所が、距離制限にかからないことが確認できれば、次に進みます。
申請を出すのは、お店の所在地を管轄する警察署です。まずは、管轄の警察署に風営法許可申請の事前相談に行きます。警察署に連絡を取り、事前相談の日にちを決めます。
当日は、どのような営業形態にしたいのかや、お店の設備について聞かれたこと等の確認があります。申請には何が必要なのかを聞いて、申請に必要な書類や説明資料をいただきます。
③必要書類を集める
風営法の申請には、申請書以外にも様々な種類の添付書類が必要になります。添付書類については、こちらを参考にしてください。「風俗営業許認可申請~ここが肝心!規制の種類と必要書類について~」
また、管轄の警察署によっては、実際にはほかにも必要な書類がある場合が多いです。参考までに一例を挙げておきます。
〇賃貸借契約書の写し(お店の建物が賃貸の場合)
〇お店の建物の登記簿謄本
〇営業許可証の写し
〇都市計画法上の用途の証明書(市町村役場で取得)
〇在留カードの写し(外国人の場合)
〇メニュー表 など
事前相談のときに警察署で教えていただけると思うので、もれのないようにしっかりと集めます。
④店の図面を描く
添付書類の中には、営業所(お店)の平面図がありますが、ここには、設備図(照明、音響設備等)、営業所全体の求積図、客室部分やその他の部分の求積図等が含まれます。また、営業所の周辺図も必要です。この周辺図には、周辺に保護すべき施設がないかを調べるため、お店を中心とした円を描き込みます。
お店の図面は、建物の所有者(大家さん)が持っておられれば、それを参考に描くこともできますが、ない場合は一から図面を描かなくてはなりません。図面を描くためのソフト(CAD等)を使えば見やすい図面が描けると思いますが、そうしたソフトを使ったことがなければ誰かできる人に頼むことも必要かと思います。
この図面を描く作業が、風営法の申請でもっとも時間と手間のかかる部分の一つです。
また、設備図は、照明の場所と種類や個数、消費ワット数、音響設備はメーカー、型番、最大出力ワット数等がわかるように図面に表すことが必要です。
冷蔵庫の位置や換気扇、エアコン、モニター、テーブル、イス等もわかるようにしておきます。
⑤申請書を書くための準備
お店の営業方法が決まっていれば、申請書を書いていきます。
〇営業時間(風営法の場合は午前0時まで。地域によっては、それ以降も認められている場合有)
〇どういった接待をするのか
〇提供するお酒や食べ物のメニューや料金と掲示方法
〇従業員の数 等
また、営業方法とは関係ありませんが、警察署や市町村役場、消防署の調査のときのために、店の防音設備や消防設備、非常口灯についても確認しておきましょう。照明設備については、明るさの基準をクリアしているか、スイッチは明るさ調節のできるものが使われていないかなど、細かいところも確認します。
18歳未満立入禁止の表示も忘れずにします。
⑥申請書等、一式を提出する
申請書が書けて、添付書類もすべて集まれば、一つに綴じて提出できるように準備します。
すべてが整ったら、管轄の警察署へ連絡して、提出日を決めます。
当日は本人確認できる身分証も持参します。
警察署では、必要書類が揃っているか、内容に不備がないかなどのチェックを受けます。その時点のチェックで問題がなければ、受理されます。警察署が受け取った証明として、受理証が交付されます。
まとめ
③~⑤については、同時進行で行えるところは行っていきます。
風営法の許可申請までのながれは、おおよそ以上の通りです。あくまでおおよその流れですので、様々な事情によってこの通りにはならないことも多いです。初めてお店を開業される場合と飲食店をすでに経営されていて途中から風営法の許可を取る場合とでは、留意点も大きく異なります。
また、管轄の警察署によっても、添付書類や書類の書き方、事前相談の在り方や審査の基準が違うので、分からないところは問い合わせて、確実に進めていくことが必要です。
とは言っても、提出する書類の数が多く、また、記述の仕方、図面の作成、保護すべき施設の確認等、初めての場合、難しさを感じたり、時間と手間がかかったりとたいへんな思いをすることも実際のところあることと思います。
そんな時は、専門家にすべて任せるのも一つの方法です。私たち行政書士に依頼すれば、一からサポートし、申請から許可を取るまでをトータルで業務として行います。
わずらわしさと不安を感じながら手続きを進めるよりも、気持ちの負担も軽減し、時間と労力もあまりかからずに進めることができます。
思い悩むよりも、思い切ってすべてを任せることのほうがメリットは大きいのではないかと思います。
神戸・大阪・明石等、阪神間で風営法許可申請をお考えの方は、是非当事務所までご連絡ください。
次回は、申請後、許可を取るまでの流れについて書いていきます。
申請後、営業許可を受けるまでの留意点についてはこちらまで↓
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