行政書士 谷垣事務所 代表 谷垣 征和
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菓子製造業
ケーキ屋さんやパン屋さんを開くためには、「菓子製造業」の許可が必要になります。
菓子製造業とは、「菓子(パン、あん類を含む)を製造する営業」のことで、調理パンも製造できます。また、この菓子製造業には、お客さんが購入したパンやお菓子に飲み物を添えて、お店の中で提供することもできます。
調理パン、ケーキ、和菓子など、あくまで完成品の製造ですので、最中の皮だけを製造する場合は、これに含まれません。
お店のつくり
お客さんに安全な製品を提供するために、お店が備えなければならない設備の基準があります。次のようなお店のつくりになっていないと、許可を受けられないことがあります。
- 衛生的に作業するための十分な広さがあること
- お店のある建物が、住居と一緒になっている場合には、住居部分とお店部分が分けられていること
- ほこりや虫、ねずみなどの侵入を防ぐ設備があること
- 製造作業をする場所は、カビを防ぎ、換気ができる設備があること
- お店の明るさは作業や掃除をするのに十分な明るさがあること
- 掃除で水を使う場所は、排水が適切にできること
- 手指の消毒のための手洗い場が必要数あること
- 必要な冷蔵、冷凍のための設備があること
- 従業員の数に応じたトイレの数を設置していること
- 食品などを洗浄するための、熱湯、蒸気などの出る洗浄設備があること
- 冷凍、加熱設備には、温度計を備えること など
ほかにも業種ごとに、設備の基準がありますので、確認することが大切です。
許可までの流れ
菓子製造業の許可を受けるまでのおおまかな流れは次のとおりです。
①事前相談
お店の場所を管轄する保健所に電話をして、事前相談の予約を取ります。当日は、お店のおおよその平面図を持っていくと、構造や設備についての確認ができます。
後の施設検査のときになって、大きな修正をしなくてもいいように、あらかじめ手直しや工事が必要なことは、この事前相談のときに確認しておきます。
②食品衛生責任者を置く
お店には1人、必ず「食品衛生責任者」を置くことになっています。調理師や栄養士の資格があれば、食品衛生責任者になることができますが、そうでなければ講習を受けることで、なることができます。
自治体ごとに講習の受付が行われていますので、予約します。時期によっては、志願者が多く、定員がいっぱいで数か月先にしか空いていないこともありますので、早めに確認することが必要です。
①の事前相談の予約よりも、場合によってはこちらを先にした方がいいでしょう。
③関係部署への連絡と相談
保健所の事前相談とは別に、役所や消防署に連絡を取り、お店の設備や構造が「菓子製造業」を営むのに適切かを確認します。建築基準法や消防法で、定められた基準を満たしていないと、あとから手直しをする必要性が出てきます。
火災が発生したときに、延焼しにくい構造であるか、消火設備や警報装置が正しく設置されているかなど、手直しが必要な箇所はないかを相談して確認しておくと、後々の手続きが比較的スムーズに進みます。
④必要な工事、設備の設置と申請書類の作成と提出
事前相談も終わり、構造や設備についての方針が決まったら、内装も含めた工事と設備の設置に取りかかります。
また、それと同時に進めなければならないのが、許可を受けるための申請書類の作成です。申請書類や添付書類などには、次のようなものがあります。
- 営業許可申請書
- 施設の構造及び設備を示す図面(お店の平面図、面積図、周辺地図等)
- 食品衛生責任者の資格要件を満たすことを証する書類の写し(調理師免許や講習会修了証)
- 登記事項証明書(法人として申請する場合)
- 水質検査の結果を証する書面の写し(お店で使用する水が井戸水等の場合)
- 許可申請手数料(神戸市の場合は14,000円)
⑤施設の確認検査
申請後、書類の審査がありますが、書類に何か訂正箇所や不備がある場合は、補正の連絡がありますので、速やかに補正をします。その後問題がなければ、保健所から施設検査の日程についての連絡があります。
検査当日は、営業者が立ち会います。指摘を受けた箇所があれば、改善します。
⑥営業許可証の交付
申請書類、施設検査共に問題がないと判断されれば、営業許可証が交付されます。検査から通常は1~2週間かかります。
許可証が交付されれば、晴れて営業を開始できることになります。
許可証は、店内の見やすい場所に掲示します。
営業許可証の更新を忘れずに
営業許可書には、5~8年の期限があります。期限が切れると、お店を営業できませんので、注意が必要です。通常、期限の切れる1か月前までには、更新の手続きをしなければなりません。
また、この更新のときにあわせて、「食品衛生責任者実務講習会」を受けることになっています。
ケーキ屋さん、パン屋さんの許可代理申請
ケーキ屋さん、パン屋さんを開くには、「菓子製造業」許可申請を受けることが必要ですが、お店の準備には、設備や人材の確保、仕入れ先の検討、お店の営業形態や営業方針の決定など、しなければならないことはたくさんあります。
すべてを同時に並行しておこなうのは、かなりの労力と手間がかかります。また、スムーズに準備が運ばなければ、予定しているお店の開店日に間に合わなくなってしまう場合もあります。
そうしたことを避けるためにも、許可申請は専門の行政書士に依頼するのがいちばんです。
当事務所では、最初の相談から開業までをトータルでサポートし、理想のお店作りを応援いたします。
神戸・大阪周辺で、ケーキ屋さんやパン屋さんを開きたいと考えている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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