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成年後見制度の【2つの類型】と後見人の仕事~行政書士が承ります

 私たちは普段、生活の中でいろいろな判断をしています。その判断は、意識せずにする程度のこともあれば、時には次の一歩を踏み出すために、慎重に考えなければならないようなこともあります。
 人は皆、一人ひとり異なる価値基準をもって行動しているので、たとえ同じ場面に遭遇しても、誰しもが全く同じ行動をとるとは限りません。そして、その一つひとつの行動が「その人らしさ」が表いていると言えるでしょう。

事理弁識能力 

 事理弁識能力という言葉があります。
 これは、ものの道理や物事の結果などを理解し、自分で有効な意思表示ができる能力のことを指します。見たり、聞いたり、経験したことについて、自分で考え、判断して行動することができる力とも言えます。この「事理弁識能力」が失われる、または不十分な状態になると、自分で判断して行動することが難しくなります。
 私たちは普段健康に生活を送っているときは、自分の「事理弁識能力」を意識することはあまりありません。でも、将来において自分の判断力が失われるときが、いつか来るかもしれないことは、想定しておく必要があります。なぜなら、それは誰にでも起こりうることだからです。

認知症の増加

 私たちは健康に生きていれば、いろいろな欲求があるものです。たとえば、好きなものを買う、着たい服を着る、食べたいものを食べるなど。とはいえ、欲求があったとしてもそれを抑制し、コントロールしながら、うまく折り合いを見つけて行動することができます。
 事理弁識能力が不十分になると、そうした欲求に対する判断が難しくなり、抑えることができなくなったり、また逆に欲求そのものを感じることができなくなったりといったことが起こります。そして、それによって日常生活に支障をきたすことが起こり始めます。

 「認知症」と診断される高齢者の方の割合は年々増加しています。2020年の統計では、65歳以上の方の実に約18%の方が認知症と診断されており、今後2025年には20%、65歳以上の方の5人に1人にあたる人が診断されるという予測があります。
 自分の身に置き換えて考えてみることももちろんですが、それだけでなく、自分の回りの大切な人のことをも普段から考えていく必要がありそうです。

 平均寿命が延び、より加速する高齢化社会。もし、自分が認知症になったらどうすればよいのでしょうか。今から将来に備えて、何かできることはあるのでしょうか。
 
 昨今、成年後見制度という言葉を耳にすることが多くなりました。この制度は、もしものときの不安を解決する一つの手立てになりうる制度です。

 
 成年後見制度には、次の2種類の制度があります。

成年後見制度の類型

法定後見制度

 法定後見制度とは、現在すでに判断能力が低下していて、すぐに支援が必要とされる人を対象とした制度です。家庭裁判所に申立書を提出することで行います。この申立書は、本人がしてもかまいませんし、本人の配偶者、四親等内の親族等、保佐人や保佐人といった人もすることができます。
 医師の診断書をもとに、本人の判断力の低下の度合いを、次の3つの類型のうちから裁判所が判断し、決定します。

成年後見・・・事理を弁識する能力が著しく欠く状況にある者

補佐・・・事理を弁識する能力が著しく不十分である者

補助・・・事理を弁識する能力が不十分である者

 本人の生活を実際にサポートしていく人を3つの類型ごとに、後見人、保佐人、補助人と呼びます。誰を選任するのかについて、申し立ての手続きに候補者を記載することはできますが、希望が通るとは限りません。最終的には、諸事情を考慮したうえで家庭裁判所が決定します。

任意後見制度

 任意後見制度とは、その時点ではまだ判断力のある人が、将来に備えて自分で後見人を選ぶ制度です。前述した「法定後見制度」とは違い、家庭裁判所が決めるのではなく、本人が「この人にお願いしよう」と思う人との契約によって自由に決めることができます。公証役場で公正証書を作成し、契約します。

 こうして契約した後見人を「任意後見人」と呼びます。この任意後見人の仕事は、この契約の時点ではまだ始まりません。その後、本人の判断力が低下した状況になったときに家庭裁判所に申し立てをすることにより、「任意後見監督人」の選任がされ、そこで初めて任意後見が始まります。

 この任意後見監督人は、本人が選んだ後見人を監督する役割をもちます。後見人が適正に仕事をしているかを、書類を提出させることなどにより監督します。また、本人と任意後見人の利益が相反する行為を行うときに、任意後見監督人は本人を代理します。

成年後見人の仕事

 成年後見人の仕事は、大きく分けて2種類あります。一つは、財産管理。もう一つは、身上監護です。

財産管理

 預貯金や不動産の管理、電気や水道料金・家賃等の支払い、医療費・介護費の支払い、その他収入・支出の算定、住民税・固定資産税・自動車税等税金関係の支払い等、金銭的な面でのかじ取りをすることで、生活を支えます。

身上監護

 医療施設・監護施設との連絡・相談・手続き、その他生活全般について支援を行います。

まとめ

 現代の高齢化社会を自分が自分らしく生きるために、将来を見据えた設計が必要であることは間違いないでしょう。そのためには、ここに挙げた成年後見制度の利用が一つに挙げられます。
 こうした制度を利用しなくても、身近で支えてくれる方が存在するならば、それは素晴らしいことです。ただ、いろいろな状況が影響して、それが難しい場合もあるでしょう。人を取り巻く環境は様々です。
 また、今は支えてくれる存在があったとしても、状況は日々変わっていくものです。将来に備えて、常に柔軟に考え、対処していくことが大切です。

 ただ、どちらにせよ支援する側には、支援の仕方として押さえておきたいポイントがあります。それは、人の生き方を尊重するということです。誰かがその人に代わり、必要な判断をし、支えるわけですが、「その人ならばどうしただろう。」と考えることが、「その人らしく生きていく」ためには必要になってきます。
 そうした支援の仕方によってこそ、人は人らしく、本当に安心して生活ができるのではないでしょうか。

 成年後見制度、任意後見制度に関心がおありであれば、当事務所までご連絡ください。
 皆様の将来について、考えるサポートをさせていただきます。

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行政書士 谷垣事務所  代表 谷垣 征和
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