神戸市灘区の行政書士谷垣征和です。
今回は、薬局開設までの手続きについて書いていきます。
これから薬局を開業しようという方は、少しでも参考にしていただければうれしいです。
薬局の新規許可申請
薬局の新規許可申請が必要になるのは、次のような場合です。
①新しく薬局を開設する場合
②開設者が変更する場合
③個人から法人、法人から個人に変更する場合
④法人の合併により新しく法人を設立する場合
⑤店舗販売業から薬局へ変更するなど、業種の変更をする場合
⑥店舗を全面改装する場合
⑦店舗を他の場所に移動する場合
⑧許可有効期間内に更新申請をしなかった場合 など
開設までの流れ
①店舗を開設する場所を管轄する福祉事務所、保健所等に事前相談の予約をします。
②メーカーや業者を選定し、打ち合わせを進めます。
③事前相談を受けます。構造設備や申請までの細かい流れ、申請の日程など確認します。
④法人を設立する場合は、その手続き、内装工事、宣伝の準備、人材の確保等も進めていきます。
⑤④と並行して申請書類等を作成して、提出します。補正がある場合は、連絡があります。
⑥保健所から施設調査が入ります。構造設備等の確認があります。
⑦許可を受けると医薬品等の陳列ができるようになります。
事前相談の日までには、構造上の基準や必要書類については調べておきましょう。図面を持っていけば、構造上の相談もできます。また、書類に補正がある場合は、できるだけ速やかに提出します。
許可申請に必要な書類
- 薬局開設許可申請書
- 薬局構造設備の概要
- 付近の見取り図・建物配置図・薬局の平面図
- 履歴事項全部証明書(法人の場合)(3か月以内のもの)
- 申請者の医師の診断書(3か月以内のもの)または疎明書(法人の場合は、「薬事に関する業務をおこなう役員」全員分)
- 管理者及びその他の薬剤師・登録販売者の氏名・住所・週当たりの勤務時間数・薬剤師名簿の登録番号及び登録年月日または販売従事登録の登録番号及び登録年月日を記載した書類
- 管理者の使用関係証書(雇用契約書の写しまたは雇用証書
- その他薬剤師・登録販売者の使用関係証書(雇用する場合)
- 勤務表
- 特定販売をおこなう場合、特定販売に関して厚生労働省令で定める事項を記載した書類
- 体制省令で定められている指針・手順書
- 調剤しない薬剤師または要指導医薬品・一般用医薬品を販売しない薬剤師がいる場合、その薬剤師の氏名・勤務時間
- 資格を証する書類(薬剤師免許証、販売従事登録証など)
- 無菌調剤室の室内に空気清浄度に関する書類(設置する場合)
- 無菌調剤室提供薬局との間で、共同利用に関して必要な事項を記載した契約書の写し(共同利用する場合) など
市区町村によって、ほかにも必要な書類はあるので、確認が必要です。
欠格要件
次にあてはまる場合は、許可を受けることができません。
- 許可を取り消され、取り消しの日から3年を経過していない人
- 登録を取り消され、取り消しの日から3年を経過していない人
- 禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった後、3年を経過していない人
- 医療品医療機器等法、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法その他薬事に関する法令またはこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から2年を経過していない人
- 成年後見人または麻薬、大麻、あへんもしくは覚せい剤中毒者
- 精神の機能の障害により薬局開設者の業務を適正に行うにあたって必要な認知、判断および意思疎通を適切におこなうことができない人
調剤に必要な設備及び器具
薬局の開設にあたっては、次のような設備や器具をそろえなくてはなりません。
- 液量器(50cc未満のもの、50cc以上のものを各1つずつ以上)
- 温度計(100℃のもの)
- 水浴
- 調剤台
- 軟膏板
- 乳鉢(散剤用の用のもの)及び乳棒はかり(感量10mgのもの及び100mgのもの)
- ビーカー
- ふるい器
- へら(金属製のもの及び角製またはこれに類するもの)
- メスピペット
- メスフラスコまたはメスシリンダー
- 薬さじ(金属製のもの及び角製のもの」またはこれに類するもの)
- ロート
おおまかな構造基準
薬局の施設には、細かな構造基準が設けられています。市区町村によっても基準が若干異なるので、注意したいところです。疑問点やわからないことで急ぐ場合は、事前相談までに確認しておくか、事前相談のときにまとめて確認するようにします。
- 床面積は、実面積(有効床面積)で19.8㎡以上あること
- 調剤室の面積が実面積で6.6㎡あること
- 購入者が容易に出入りでき、薬局であることがその外観から明らかであること
- 医薬品を陳列し、交付する場所が60ルクス以上あること
- 調剤台の上は、120ルクス以上あること
- 冷暗貯蔵のための設備があること
- 毒薬を貯蔵するための移動困難な鍵のかかる貯蔵設備があること
- 医薬品の貯蔵設備を設ける区域が、他の区域から明確に区別されていること など
まだまだほかにもありますので、許可を受ける保健所や福祉事務所にもれなく確認します。
無理のない計画を立てる
薬局の開設は、設備面での細かいところにまで注意を払う必要があります。
そのため、開業の準備と並行して申請の手続きを進めるのは、大きな労力を必要とします。
そんなときは、許認可に強い行政書士に任せるのも一つの選択肢と言えます。
申請関係のすべてを行政書士に任せることで、開業に伴う様々な手続きに時間を避けるという大きなメリットが生まれます。
関西周辺で薬局の開業をお考えの方や、これから検討されるという方、当事務所がお手伝いいたします。
まずは、ご連絡ください。
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